2005年3月

アーキトラベル―建築をめぐる旅

アーキトラベル―建築をめぐる旅

社会人を一時休止して、2年間かけて世界中の建築物を見ていく若き建築家の著者。その記録は彼の建築史・建築観を再構築する旅でもある。読者である僕はこの本を旅行記として楽しんだだけではなく、建築というものについても考えさせられた。何かひとつのテーマを持った旅行記、とても興味深い。

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ヨーロッパとイスラーム―共生は可能か (岩波新書)

ヨーロッパとイスラーム―共生は可能か (岩波新書)

ドイツ、オランダ、フランスにおけるムスリムの現状と問題点をわかりやすく解説してある本。この3カ国には旅行で訪れたことがあり、独蘭のトルコ系住民の多さについては、気になっていたので、興味深く読めた。面白いなと感じたのは、ムスリムへの政策や彼らの扱い方を見ることで、逆に独蘭仏の国家としてのありようが浮かび上がってくる点。同じヨーロッパといえども、歴史の違いから国の成り立ちは全然違うのだということを改めて実感させられた。

著者のムスリムイスラム論は明快で簡潔、とてもわかりやすい。ムスリムについてのヨーロッパの問題点は、宗教の対立ではなく、(宗教から切り離された)西洋文明VSイスラム教(宗教)という構図であること。西洋文明がキリスト教の宗教的側面を否定することから始まっているが故、ムスリムに対する政策・扱いには根本から折り合いがつかないこと、が良くわかった。

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韓国発! 日本へのまなざし 好きになってはいけない国。 (文春文庫)

韓国発! 日本へのまなざし 好きになってはいけない国。 (文春文庫)

近年のヨン様ブーム・「韓流」などの言葉に代表されるように、日本でも韓国に対する関心が高まってきている。逆に言うとつい最近までは、韓国は近くにはあるが、あまり関心のなかった外国であった、と言ってもいい。本書を読むとそんな日本の対韓観とは逆の、韓国の対日観が見えてくる。
「日本は好きになってはいけない国」「日本のものが好きでも日本を認めることにはならない」
韓国の人にとって、日本は(歴史的経験から)憎むべき国であると同時に、その技術力やファッションや音楽などのポップカルチャーを目標(憧れ)とする国でもある。本書はJポップを切り口に韓国の若者達の対日観を斬っているが、日本に対するある種過剰とも取れる韓国側の反応の記述を読むと、韓国では日本は必要以上に意識されている国なんだなあということがわかる。
日本のアイドルや歌は好きだけど日本という国は嫌い、というなんとも複雑な韓国人の対日観は、やはり学校で教えられる歴史に根ざすところは大きいと思う。

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ガンジス河でバタフライ (幻冬舎文庫)

ガンジス河でバタフライ (幻冬舎文庫)

世界を行く、銀座OL「たかのてるこ」(3月29日のブログを参照ください)の原点がここにある。ガンジス河でバタフライをする。。。のはもちろんですが、現地の人との交流が温かく、かつギャグ満載なので、笑えます、そして少しホロリとさせられます。

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モロッコで断食(ラマダーン)〈上〉リビドー・ウォーズ編

モロッコで断食(ラマダーン)〈上〉リビドー・ウォーズ編

実は文庫本では題名が変わっているのですが、「たかのてるこ」の海外旅行記第2弾です。かっこいいベルベル人の青年とのロマンスもあります。この本を本でモロッコに行きたいなあという気分がいっそう高まりました。お正月に行ったチュニジアより、よりアラブっぽい感じですね、モロッコは。

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実は文庫本では題名が変わっているのですが、「たかのてるこ」の海外旅行記第3弾です。かっこいいベルベル人の青年とのロマンスの結果は。。。読んでのお楽しみですね。

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絵柄に惹かれてつい書店で手にとってしまった。パラパラと流し読みすると、旅行したことがあるウィーン、プラハブダペストについて書かれてあり、他の人が旅行をするとどう感じるのだろう?という興味がふつふつとわいて来たことと、次に行きたいと思っていたルーマニアトランシルバニア地方(ドラキュラの故郷)について書かれていたので、即購入!
読んでみると、なんと、プラハが洪水で被害にあった年に著者は今回の旅をしていたのだなあ、とわかり、ビックリしました(僕はその前年にプラハに行ったので)。この本を読んで、ますますトランシルバニアに行きたくなりました。

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すっごくイタリア (新ヨーロッパ・イラスト紀行)

すっごくイタリア (新ヨーロッパ・イラスト紀行)

イタリア、、イタリアはすごく観光するスポットがたくさんで、グルメの人、ファッションに興味がある人、美術に興味がある人、歴史に興味がある人、美男美女好き(?)、とにかく万人の人にとって何かしら「好き」と思わせるところがある国であるという点、すごくポイント高いですよね。イタリアについてのガイドブックは多く出ているので、本書では「イラストレーターである著者2人が惹かれるイタリアってどんなポイント?」という観点で見ると、結構面白かったです。僕も絵が上手かったらなあ。。。

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グリムありますか―メルヘン街道とその周辺 (ヨーロッパ・イラスト紀行 (1))

グリムありますか―メルヘン街道とその周辺 (ヨーロッパ・イラスト紀行 (1))

ドイツは絵になる場所多いですね。。。というのがこの本のイラストを見るとすっごくよくわかります。でも、そのメインは旧西ドイツ。東西冷戦は、経済格差という問題を生んだのだな、と(本書には全然書いてないけど)ふと思ってしまうcaltecである。

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アンデルセンください―デンマークとオランダ・ベルギー (ヨーロッパ・イラスト紀行)

アンデルセンください―デンマークとオランダ・ベルギー (ヨーロッパ・イラスト紀行)

実はオランダにも行ったことがあります。オランダについては、見所は同じなのかな。僕が訪れた箇所とほぼ同じところがこの本でも紹介されてました。そして「いいなあ」と感じた場所も同じ。。。しかし、オランダ人って、何であんなに背が高いんでしょう?

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マザーグースころんだ―ロンドンとイギリスの田舎町 (ヨーロッパ・イラスト紀行 (3))

マザーグースころんだ―ロンドンとイギリスの田舎町 (ヨーロッパ・イラスト紀行 (3))

イギリスは、、ロンドンには行ったことがありますが、田舎の町には行ったことがないので、興味深く読みました。でもイギリス的な味わいってのは、こうした郊外の町や田舎の町にこそあるのかもしれないですね。機会があったら車でも借りてドライブしてみたいなあ。(イギリスは日本と同じ左側通行の国だし)

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僕のなかの壊れていない部分 (光文社文庫)

僕のなかの壊れていない部分 (光文社文庫)

最初の一章を読んで、主人公の言動や考え方に「?????」となり、えー嫌なやつじゃん!と読む気が失せ気味だったのですが、我慢して読んでいくうちに主人公の言動や行動、考えがどうしてそうなるのか、だんだんとわかってきて、最後は夢中になって頁をめくっている自分がいました。
幼少期に心理的影響を受けた主人公の、徹底的に個人的感情を廃そうと努める心の動きが興味深かった。人間の感情を理性的に説明しようとする記述や、個人的感情を廃そうとしながらも、やはりそれに抗えない葛藤のような記述もあり、うーむ。。。と考えさせられた。
普段何気に「楽しい」「悲しい」と感じる人間の感情を、学問的に(科学的に)解明するとどういうメカニズムなんだろう?その人が感じる感情を100%正確に相手に伝えることはできるのだろうか?(話したり書いたりする「ことば」では十二分に感情を表現はできない)などと、いろいろと考えてしまうこと多し。。。
作者白石一文のデビュー作「一瞬の光」は、正直言って面白いと僕は感じなかったのだけれど、この作品は興味深く読み進めました。

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ストリート・チルドレン (新風舎文庫)

ストリート・チルドレン (新風舎文庫)

新宿を舞台に、300年に渡るある一族の生と性を語る物語、、、という触れ込みで、たしかにそのとおりではあるが、あまりにもそのコンセプトを実行したいがために各登場人物がいますよー、というスタンスの取り方であるため、全く感情移入できず。時代考証だとか、社会問題だとか、小説と共に読めたりするので、それはそれで面白いなあ、と思いましたが、僕が面白いなあ、と感じるポイントとは少しずれていた感はありました。

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ホストの世界 (河出文庫)

ホストの世界 (河出文庫)

社会勉強のため、というわけではないけれど、普段触れることに無い世界の話なので、興味深く読む。やはりどの世界で生きていくにもトップを取る人は頭が良い人だなあ、というのは良くわかる。

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