チュニジア

caltec2005-01-08



結構わがままを言って、カルタゴの訪問予定を増やした我等一行、次に向かうは、ジュディ・ブ・サイト。その前に、カルタゴから海岸に降り、雰囲気のいいレストランでお食事。
カルタゴから急な坂を下り、海岸に降りていく。車窓からは、赤土でできた急な崖の斜面が見える。カルタゴチュニジアの高級住宅地となっているが、なんとなくこの海岸に下りる道から見える風景は熱海を彷彿とさせる。坂を降りきると高級ホテルがたっており、その先には砂浜が。。。真冬だというのにキスをするカップルが数組。ふうむ。


風がめちゃくちゃ強かったが、暖かい季節であれば、とても魅力的な風景に僕には受け取れただろう。地中海のマリンブルーと青い空。そして白い砂浜と白い雲。背景にはところどころに緑のサボテンが見える赤土の急な斜面。道を海沿いに沿って進んでいけば、洒落たレストランと、マリーナが広がる。。 なかなか良いところだ。


さて、そうこうするうちに車は一軒のレストランの前で止まる。チュニジアのガイドブックには必ず出てくるカルタゴでおいしい料理を出すお店、ル・ピラット。フランス風チュニジア料理というかんじか。。果たして、その料理の味もなかなかのものであった。一人25ディナールも出せばそこそこの料理を食べられる、とのこと。昼食代はツアーに含まれていたので、飲み物代だけ払う。しかし、ミネラルウォーターで3ディナール。高い。昨晩の食事代と同じなり。うーむ。。。
#完全にフリーの旅行であれば、チュニジア人が利用する大衆食堂でばかり食べていた僕たちである。が、今回はツアーに参加ということで、指定されたレストランで食事することもある。ツアーの食事は必ず美味しいところが組まれている。まあ、洗練されたおいしいチュニジア料理を堪能するのも旅の楽しみでもあり、普段の僕たちにように市民食堂を利用して、わいわい食べるというのもそれはそれで旅の醍醐味だよなあ。。


食事を終えると坂を上り、いよいよシディ・ブ・サイドへ。白壁に映えるのは、俗に言う「チュニジアンブルー」一色に染められたドアと窓枠。この家並みが街道沿いに延々と続いていく。美しい眺めだ。ただ今日は風が強くて寒かったので、このすばらしい光景を十二分に堪能したというわけではなかったが、燦々と輝く太陽の下、この光景を見れたらどんなに気持ちいいことだろう。。。 こう想像するだけでも楽しかった。


さて、シディ・ブ・サイドでは観光客目当ての土産物売りの兄ちゃんと値段交渉をしてみる。チュニジア初の値切り交渉だ。大きな革のバッグを見ていると、顔の濃いハンサムな兄ちゃんが近づいてきた。「大きいのは85ディナール、中くらいのは55、小さいのは40。」うむ。高くはないか?「日本人? 英語、話せる? それぞれ60、40、30でいいよ。まとめて買うともっと安くする」でも、まだまだ高い。「フランス語話せる?」と聞くので「少し」と答えると、とたんに饒舌になる。


「実は英語あまり得意ではないんだ。フランス語話せるならもっとまけてあげる。大きいのは55でいいよ。2つまとめてかうならひとつ50。3つかったら45にしてあげる。」兄ちゃん一人でベラベラしゃべってくるが、値段がどんどん下がってくる。。


半ば呆れながら聞いていると、その雰囲気を察したのが兄ちゃんが一言。「いくらまでなら出せる?」  やっと、きたな。交渉スタートだ。「一番大きいやつで、25ディナール」(たぶんこれだと赤字だろうと思った値段)。「そりゃないぜ、ムッシュー」と兄ちゃん。「じゃあ、いいや。バイバイ」と帰ろうとすると「わかった、45」。「いいや、25」。「うーん40までなら下げる」「いや、いらない。25までしか出さない」「そりゃあ、むりだ。」と兄ちゃん。


まあ、そうだろうなあ。25じゃ安すぎるだろうなあとは思いつつ、相手のお手並み拝見と行く。まあ、こういう交渉が楽しいんだしさ。最終的に32〜5くらいで買えればいいや、くらいの気分でいた。「じゃあ、30までなら出すよ」と言った途端、兄ちゃんの顔色が輝く。おお、兄ちゃん喜んでいる!「じゃあ、君が言った30と、僕が行った40の中間で35。でも、それだと儲けが出ないからコーラ代を入れて38。」敵も去るもの、なかなか折れてこない。


「いや。30きっかりまで。5あげたんだから、それなりに負けてくれないと」「・・・・」。ここで天気の話を始めて、友達作戦に切り替える兄ちゃん。話はいろいろな方面に飛ぶ。大学の話とか、カルタゴのこととか。。。ここいらまでくると、だんだん難しいフランス語の単語が飛び出し、僕も完璧に理解はできなくなってくる。「じゃ、最終的に30。これ以上は払わん」。あせる兄ちゃん。「じゃ、じゃあ、35。ムッシュー、僕もこれ以上、(値段を)下げられないよ」


「あ、そう。じゃあいらないや」(と僕) 「!」(兄ちゃん:だんだん不機嫌になってくる)そして客を逃してなるものかと、中くらいの鞄を指し、これなら30でいい。と言う。「でも、それじゃなくて、この大きさのこの色の鞄がほしいから、それはいらない。30じゃないなら買わない」と言うと、最後にあきらめて「じゃあ、それでいいよ」と兄ちゃんは折れた。でもかわいそうになったので、コーラ分として、1ディナール足した。台湾・ベトナムのようにスッゴク値切った分けではなかったが、まあ、ドライバーや他の人たちを待たせていたし、これはこれでよしとするか。


こうして楽しい買い物と美しい風景を堪能した我等一行は、次の目的地、チュニスメディナへと向かったのであった。。。


★後日談★
まあ、かれこれ15分も値切り交渉していたわけだが、結果としてあまりボラれずに正当な価格で買えたようだ。後にスースでFIX PRICEで売っているみやげ物屋(値段がないところの1/3〜1/2で買える)で32ディナールで同じものが売っていたので。