pen 完全保存版 一冊まるごと印象派(2010/6/1号)。

caltec2010-07-21



六本木にある国立新美術館オルセー美術館展を前に、各雑誌の印象派特集を読んでみることにします。第一回は、pen の「完全保存版 一冊まるごと印象派。」


構成としては、まず4名の巨匠(モネ、ルノワールセザンヌゴッホ)の絵画の特徴と美術界における位置付けを、世界の有名美術館の学芸員(もしくは、その画家の企画展のキュレーター)が語るところからスタートする。印象派について漠然と語るよりは、まずは巨匠4名の特徴を理解するのが印象派の全貌を知る近道ですよ、という感じだ。


そして、その特徴を踏まえた上で、印象派とはどんなものだったのか?印象派、ポスト印象派に属するその他の画家の作品の特徴や、交流を丁寧に図解して解説している点が本書の特徴だ。


印象派と聞いて思い浮かべる画家達は、交流を深める中で、化学反応を起こしながら、自らの画風を確立し、また他者の画風へと影響を与えながら、大きなうねりを作り上げていく、その過程がチャートや図説で理解しやすく提示されていてわかりやすい。


最後に、日本で開催される展覧会の情報が紹介される。今まで理解した(であろう)印象派・ポスト印象派について、今度は自分の目で見て、感じて、確かめてくださいな、ということだと思う。


近年、ゴッホセザンヌなどの企画展に携わったキュレーターが寄稿した文章には、今までになかった視点も多く含まれており、単なる印象派の画家の紹介だけに留まっていない点が、とても好印象な特集である。



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