スケートカナダ


いよいよグランプリシリーズ第二戦のスケートカナダが始まる。
しかし、女子シングルの日本人出場選手を見ると、スケートアメリカのフレッシュなトリオ(浅田真央浅田舞安藤美姫)からスケートカナダ村主章枝恩田美栄のベテラン組に変わる。トリノオリンピックが終わり、新旧の世代交代となっている今シーズン、両ベテラン選手はどのような演技を見せるのか、気になるところだ。

振付師かえて新たな挑戦・村主、ジュニア女王と対決


フィギュアスケートで昨季の世界選手権2位の村主(avex)が、2日にカナダのビクトリアで開幕するグランプリ(GP)シリーズ第2戦、スケートカナダで今季の初戦に臨む。


「五輪が終わり、節目の年が終わったので、挑戦していけたら」。フリーの振付師を、それまで9シーズンともにしてきたローリー・ニコル氏から、アイスダンスの元五輪メダリストでロシア人のアレクサンドル・ズーリン氏にかえた。


慣れ親しんできたやり方を変えたことで、演技の完成に必要な時間はこれまで以上にかかった。「でも同じ人とやっていると楽だけど、同じ味付けになってしまう」。情感豊かな表現力に加え、弱点といわれてきたジャンプも改善することで、さらに上を狙う構えだ。


優勝を争う有力なライバルが16歳の金妍兒(韓国)。3月の世界ジュニア選手権覇者は今大会がGPデビュー戦となる。新しい選手の台頭にも25歳のベテランは言う。「五輪後はいつも新しい流れはある。今に始まったことではないですから」。簡単に譲るつもりはない。


〔共同〕


オリンピックシーズンのフリー(ラフマニノフのピアノコンチェルト)は村主と振付師のローリー・ニコルが今まで作り上げてきた村主ワールドの集大成だったように思う。だが、彼女が築き上げてきたその世界観に、聴衆が慣れてしまい、新鮮味が無くなってきているのもまた事実だ。プレオリンピックシーズンのフリー「カルメン」やショートプログラムピンクパンサー」、2シーズン前のショートプログラム「黒く塗れ」など、クラシック路線ではない村主の演技の方が、個人的には見ていて面白かった。


今回、フリープログラムを長年一緒にパートナーシップを組んできたローリーではなく、ズーリンに依頼したことは、村主にとっては、新たな挑戦、新たな自分探しをしていることになるのだろう。ソルトレークトリノと2度のオリンピックを経験したベテランは、まだまだ現役を続ける意欲満載なのだ。

村主と恩田が練習・GP第2戦スケートカナダ


フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第2戦、スケートカナダに出場する昨季世界選手権2位の村主章枝(avex)と恩田美栄東海学園大職)が開幕前日の1日、当地の試合会場のリンクで練習した。


村主と恩田はともにショートプログラムで使う「ボレロ」と「春の海」の曲に合わせて練習。今季初戦の村主は「生命が踊る躍動感や、生と死を表現できれば…」という。今季限りでの引退を表明した恩田は「99パーセント辞めると言ったが、自分の中ではまだ1パーセント残っている。ここに照準を合わせてやってきたので頑張りたい」と力強く話した。

大会は2日午後(日本時間3日早朝)に開幕。