ハリケーン


アメリカでは、ハリケーンカトリーナ」の被害がすごいことになっているようです。特にニューオーリンズは大変みたい。学生時代に2度ほど訪れたことがあり、思い出が多い街だけに、すごく残念です。

死者数千人か ハリケーン被害で混乱拡大 空母派遣も
2005年09月02日11時17分(朝日新聞


 ハリケーンカトリーナ」による米南部の被災地では1日、市街地の大半が冠水し、数万人が逃げ遅れたルイジアナ州ニューオーリンズで混乱が広がった。一部では食料が配給されず、多数の死体が浮遊し、略奪や発砲など「無政府状態」になっている、と現地メディアは伝えている。軍や州兵による救出活動は遅れており、通信の途絶などで当局も被災状況は把握しきれていない。


 ニューオーリンズでは、1万5000〜2万人が避難した国際会議場に水や食料が届かず、衰弱して死亡する高齢者らも出始めているという。遺体は放置され、殴り合いも起きている模様だ。武装して薬などを求めて医療機関に押し入った人が発砲するケースも報じられている。食料投下も群衆がパニックを起こす恐れがあるので小刻みにしかできないという。市長は援助活動の強化を求める「絶体絶命のSOS」を出した。


 略奪やレイプなどを防ぐため、ルイジアナ州知事は、ニューオーリンズに応援に来た北隣のアーカンソー州の州兵部隊(300人)に対し、暴徒鎮圧のために非常の場合は射殺も許可されていると言明した、とAFP通信は伝えた。イラクから帰還したばかりの州兵らで構成されているという。


 市外に脱出するバスに乗るため、5万〜6万人が避難先のフットボールスーパードームに殺到。バスは片道約7時間かけて、テキサス州の野球場などにピストン移送しているが、バスも足りないという。


 マクレラン大統領報道官によると、被災地域は9万平方マイル(約23万3000平方キロ=日本の本州に匹敵)に及ぶ。死者数について、ルイジアナ州のブランコ知事や同州選出のランドリュー上院議員民主党)も「数千人」との見方を肯定。1900年のテキサス州のハリケーン被害(死者6000人〜1万2000人)に次ぐ規模になる可能性がある。


 米政府は1日、105億ドル(約1兆1500億円)の補正予算の編成や原子力空母の派遣を決めるなど、復旧・救援態勢の強化を進めた。ブッシュ大統領はガソリンの買いだめの自制や略奪の禁止を国民に要請。「復旧には膨大なお金が必要だ」と語り、ブッシュ元大統領とクリントン前大統領を義援金集めの責任者に任命した。


 臨時記者会見で大統領は、石油の供給不足に対処するため「米国民は今後数週間、エネルギー消費を控えるべきだ。必要がなければガソリンを買わないでほしい」と異例の呼びかけをした。被災地の治安悪化について「緊急事態では法律違反は一切許さない」とABCテレビに強調。略奪やガソリンの便乗値上げ、寄付金の流用、保険金詐欺などを厳しく取り締まるよう司法長官に指示したことを明らかにした。