チュニジア


ジュディ・ブ・サイトよりチュニスに戻り、チュニスメディナ(旧市街)へ向かう。2日は人っ子ひとりいないほど閑散としていて寂れた場所だと思っていたが、今日はどうだろうか?「何せユネスコ世界遺産に登録されているくらいだもの、メディナは異国情緒あふれるすばらしい場所に違いない。」こうした期待を抱いてメディナを再度訪れたのであった。


さて、そのメディナであるが、2日とは様子が全然違った。メディナへの入り口(通称:フランス門)は人であふれ、メディナの目抜き通り(といってもすごく狭い。人がすれ違って歩ける程度)は両脇に観光客向けのみやげ物やが立ち並ぶ。「ジャパン?」「ジャポン?」「ナカタ」「シャチョウサン」「ヤスイ、ヤスイ」「Look, Look」「ツルミー」(なんだそりゃ?)。沿道から、様々な呼び込みがかかる。そう、これ、こうでなくちゃ、僕が求めていたのはこれですよ。


でもチュニスメディナは暗くて、狭くて迷路みたいで、モロッコのフェズのメディナとはまた違うんだなあ、と思った(TBSでやってる「世界遺産」の番組で見たフェズのメディナがすごくきれいなところだったので)。メディナの道はもっと広くて、もっと明るくて、ラクダを連れた行商人とかが行きかうような、そんな映画の世界をイメージしていたのだが、少し違っていたのだ。(インディ・ジョーンズとかの映画の見すぎですね。ハハハ。。。)



メディナの目抜き通りは観光客向けのみやげ物やばかりなので、わき道にそれてみる。すると、道を一本奥に入っただけで、地元の市民が買う店が立ち並び、途端にメディナの雰囲気が変わってきた。靴屋街、布地街、洋服街、スパイス街、家具屋街、宝石街、、メディナの道をあてどなく歩けど歩けど、扱う商材は変わってもどこまでも問屋が続く。観光客の姿もだんだん少なくなってきた。うーん、ディープなメディナ探訪。これはこれでおもしろいが、いかんせん、僕の(日本人の)食指が動くような商材は残念ながらここにはない。これではただグルグルとメディナの中を歩き回っているだけだ。


メディナ探訪に疲れた僕たち一行は、グランドモスクを目指す。が、グランドモスクは開いておらず、他のモスクを訪ねることにした。



たまたまお祈りの時間のために裏門が空いていて、僕はなぜか門から入れてしまった。(同行していた友人は入れなかったらしい)するとモスクの中からオジさんが出てきて「ムスリムか?」とフランス語で聞いてきた。うーん違うよなあ。「いえ、違うんですが、ここにいてはダメですか?」と聞くと「クリスチャンか?」とまた聞いてきた。「いえ、違います。強いて言うと宗教は信じていませんが、イスラム教については理解しています。」と答えた。ヤバい。旅行先で宗教と人種の話は禁物だったっけ。。と思っていたのだが、オジサンはニコニコして、「そうか。俺らは友達だ。君は中には入れないけど、窓から様子を見るといい。大丈夫だからここにいていいよ。」と言ってくれた。いいのかなあ。まあ、オジさんがいいっていうんだからいいんだろう。お祈りが終わりそうだったのでそっと裏門からでて正面に回り友人と合流。すると、入り口にいた別のおじさんがこう告げる。「見学は午前中だけだよ。明日の10:00〜12:00の間にまた来て」と。うーむ、先ほどのはラッキーだったのかなあ。


モスクを出て坂道を登ること数分。急に辺りが開けて空が見えてきた。そして警官の姿も目に付いてきた。ここはメディナの西の端。昔カスバがあった地区で、今は大統領官邸になっている。今まで歩いてきたゴチャゴチャとしたメディナとは違い、広くてきれいで明るい世界が広がっている(政府機関の建物なので残念ながら写真は撮れず)。


この後僕らはメディナを出て、チュニス空港に向かった。そうです。ロストバゲッジしていたスーツケースを取りに行くためです。やっと荷物が着いたのだよ。エールフランス君。でも服も何もなかったから結構お金使ってしまったさ。それにホテルに届けてくれないし(というか、今までロストバゲッジしたことは数回あるけど、こういう対応は初めて!これはチュニジアという国のせい?エールフランスだから?)
チュニス空港にロストバゲッジの書類を見せて空港に再入場して3日ぶりに荷物に再会した!はあ、どっと疲れた。。。