ローマ 

caltec2010-09-24



昨日は、朝早くから夜遅くまで、ヴァチカン美術館→サン・ピエトロ大聖堂→夜の噴水巡り、という充実したコースを回ったため、今日はいささか疲れ気味&燃え尽き感が朝からあり。そして快晴だった昨日と比べて、どんよりと曇って、まるで今の自分の体調のよう・・・ こんな日は遠出はせずに、近場で過ごそう、ということで、テルミニ駅南西近辺にある教会群を訪れることにした。


【 本日の行程 】

ホテル →→ サンタ・マリア・マジョーレ大聖堂 →→ サンタ・プラッセーデ教会 →→ サンタ・プデンツィアーナ教会 →→ ファルネジーナ荘 →ドーリア・パンフィーリ宮殿→→ ホテル


サンタ・マリア・マジョーレ大聖堂
サンタ・マリア・マジョーレ大聖堂は、サン・ピエトロ大聖堂、サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ大聖堂、サン・パオロ・フォーリ・レ・ムーラとともに、ローマの4大大聖堂と呼ばれているにふさわしく、概観から荘厳な様子を呈している。中に入ると、見事なモザイクとルネッサンス期のフレスコ画、そしてバロック様式の装飾とが、バランスよく取り入れられ、この教会の格式の高さを体言しているように思える。
5世紀の列柱上部のモザイク、13世紀末のアプシス(後陣)のモザイク『マリアの戴冠』が素晴らしく、これらを見ているだけで時間が過ぎていく。
ボルゲーゼ美術館で、その素晴らしい彫像を見てから、ローマ滞在中、彼の作品を観るのが楽しみで仕方がないベルニーニの墓も、この教会にある、ということだ。


サンタ・プラッセーデ教会
サンタ・マリア・マジョーレ大聖堂から通りをひとつ隔てたところにあるサンタ・プラッセーデ教会。入り口からして大変地味で質素なのだが、中に入ると、それは、素晴らしいモザイク画の教会だった。薄暗い教会の中、アプシス(後陣)のモザイク画が光に照らされて鈍く輝いている。そして右側廊のサン・ゼノーネ礼拝堂には『天上の園』と言われたモザイク画があり、このモザイク画を見るためだけに訪れても良いと思わせる教会だ。


サンタ・プデンツィアーナ教会
ここまでモザイク画を見たからには、もうひとつモザイク画で有名な教会を見なければならない、ということで、サンタ・プデンツィアーナ教会へと向かう。
中に入ると、工事中(?)で、週末に来るといい、と言われた。何でもフェスティバルらしきものがあるらしい(英語とイタリア語とのちゃんぽんな会話なので、あくまで「あるらしい」)。この教会にはフィリピン人が多く訪れるようで、日曜日にはフィリピン人が多くあつまり、バザーのようなものがあるらしい、とのことだ。
そうは言われつつも、折角来たことだし、教会の中のモザイク画はしっかりと見てきた。無骨で素朴ながらも、細かなモザイクのアプサスは、なかなか見ごたえのあるものだった。


ファルネジーナ荘(€5)
一昨日は開館時間に間に合わず見ることが出来なかった、ファルネジーナ荘を訪れる。結構な距離をはるばる歩いていてきた割には、、、という内容だった。展示内容が悪いというのでは決してないが、公開されている部分が少ないので、「5室を見るためだけに態々川を渡りやってきて、€5を払うべきか」と聞かれると、「同じお金を払うなら、ベルベリー二宮(国立古典絵画館)を訪れた方が、得るものは多いでしょう」と答えざるを得ない内容だ(まあ、あくまで僕個人の感想なので。道を挟んで対面にある国立コルシーニ宮美術館も同時に訪れ、界隈の街の雰囲気を楽しむのならお勧めです。)、
期待が高かっただけに、少し辛口批評になってしまったが、ラファエロ作の『ガラテア』、ソドマによる『アレキサンダー大王とロクサーヌの結婚』など、数は少ないながらも充実した作品(壁面のフレスコ画)が揃っている。これら居室は実際の住居だったということなので「壁一面フレスコ画に囲まれた寝室で寝るのあは、どんな気分なんだろう?」と想像してしまった。日本人の自分には、落ち着かないんだろうなあ、と思う。


企画力  :★★★☆☆
展示方法 :★★★★☆
作品充実度:★★★☆☆
満足度  :★★★☆☆


ファルネジーナ荘からヴェネチア広場に戻ると、突然の雨。とりあえず近くにあったカフェに避難し、遅いランチを取る。店内には空席が目立つのに、caltecと同じテーブルにやってくる若い男女二人。むむむ、何やら怪しい香り。(まだ遭遇していない)新手のスリか?と警戒するcaltecに対し、目の前の二人組みは盛んにガイドブックを見ながらいろいろ相談している様子。
と、突然、「ローマの雰囲気を楽しむことが出来るナイトスポットはどこにあるの?」と質問をしてきた。「僕たちはスロバキア人だけど、学生で、今、ロンドンに住んでいるんだ。昨日ローマに着いたんだよね。」「あ、あと、コロッセオに行くには、何番のバスに乗ればいいのか知ってる?」と。矢継ぎ早に質問・・・
どう見ても旅行者にしか見えない東洋人の自分に対して、どうしてローマのことをあれこれ聞いてくる? と頭の中は「?」で一杯になりながら、「パンテオンの前の噴水のとことか、ナヴォーナ広場に行けば、ローマの夜の雰囲気が楽しめるよ。いまどきのクラブとかは知らないけど・・・ バスは1ブロック先に行くとバス停があるよ。そこで同じ質問すればそこにいる人が教えてくれる」と答えると、「そうか。ローマに住んでるんだね。ローマは何でこんなにスクーターが多いの?嫌になっちゃうよなあ」との返答。 詳細を説明するのが面倒だったので、とりあえずローマに住んでる日本人ってことにしておこうと思って、適当に会話を合わせてしまいました、ははは。  
この後、爽やかに二人で店を出て行ったんだけど、空いている店内で、わざわざcaltecのテーブルに来て、対面にすわり、時折熱い抱擁を交わしながら、ローマに着いていろいろと聞いてきたこのスロバキアカップル、いまだにその行動の真意を測りかねています。


ドーリア・パンフィーリ宮殿(€9)
謎のスロバキア人との会話を楽しんだ後、雨も上がってきたので、本日の最終目的地、ドーリア・パンフィーリ宮殿へ赴く。ここにあるカラヴァッジョ作品(2作ある)を見れば、とりあえず、ローマにあるカラヴァッジョ作品を全制覇したことになる予定だ。この美術館は、ドーリア・パンフィーリ家が現在所有、そして住んでいる一般宅であって、大広間や回廊などを一般公開している、という性格のもの。入場料とセットになっているオーディオガイドでは、実際のドーリア・パンフィーリ家の人が、「この広間は◎◎◎で、僕が子供のころ×××した思い出があります」とか「先祖代々、この部屋は、○○○に使われてきています」と解説をしてくれる。ヨーロッパの貴族の裕福さは(国民総中産階級の)日本では想像できないものなんだろうなあ、と思うのと同時に、こういう家柄に生まれてしまうと、いろいろと「しなければならないこと」というのも付いてまわって、日本の皇族並みに面倒なこととかあるんじゃないだろうか、と少し可哀想にも思えてくる。
まあ、そんな能書きは置いておいて、肝心の美術作品について。お目当てのカラヴァジョの『エジプトへの逃避途中の休憩』は現在、リペア中だったが、『マグダラのマリア』は鑑賞することが出来た。あとは、『若き洗礼者ヨハネ』も。
カラヴァッジョだけではなく、ヴェラスケス、ヴェローゼ、ティントレット、ティツィアーーノ、ブリューゲルラファエロルーベンスなど多くの著名画家の作品を見ることが出来る。残念だったのは、壁一面に作品が飾られており、上の方にある作品はあまりよく見えなかったこと。ヴァチカンでも感じたが、ヨーロッパの邸宅で(当時と同じように)飾られている場合、オペラグラスは必要になる。逆に言うと、美術館が、人の目線や動線を考慮に入れ、また展示室内の作品の性格はなども考えながら、いろいろと計算されて展示されているのだな、ということが、身をもって体感できた。


企画力  :★★★☆☆
展示方法 :★★★☆☆
作品充実度:★★★★☆
満足度  :★★★★☆



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/ @ローマ