現地紙絶賛!「ポニョ」金獅子賞最有力


イタリアで開催中の第65回ベネチア国際映画祭で、コンペ部門に出品された宮崎駿監督(67)の「崖の上のポニョ」が金獅子賞(グランプリ)の最有力候補に躍り出た。31日(日本時間1日未明)の公式上映を受けて、イタリア各紙は高採点を付け、満点(5点)で評したメディアも。宮崎監督は「いいお客さんに出会えて素晴らしかった」と顔をほころばせた。


公式上映の度に更新されるイタリア10紙の採点では、イル・マニフェスト紙が5点、ほか4紙が4点を付けた。4点のコリエレ・デラ・セラ紙は早くも「ポニョがすべてを征服した」との大見出しで報じた。


31日までに上映されたコンペ部門出品作は、全21本のうち9本。満点は開幕7日目で初めて。各紙の採点表を掲載する地元誌CIAKは、「ハヤオ・ミヤザキが革命を起こした」と指摘し、6日目までトップだった北野武監督(61)の「アキレスと亀」を上回ったとした。同誌の観客10人による採点でも6人が満点。6日(日本時間7日未明)に発表される審査結果に直接は影響しないものの、ポニョが金獅子賞に最も近づいた。


評価を裏付けるように、宮崎監督は31日の公式上映で大歓迎を受けた。レッドカーペットでは「ミヤザキ」コール。1078席が完売した劇場では、3分間以上の拍手で迎えられた。鳴りやまない拍手に困った顔で「早く上映を始めましょう」と監督自ら制止する一幕も。


上映終了後は、5分間にわたるスタンディングオベーション。その後には、うれしい“ハプニング”も待っていた。監督、キャストが退席する際、通常は2階の出入り口を使用するが、多数の観客がいる1階を使ったため、サインを求めるファンにもみくちゃにされたのだ。同映画祭でも極めて異例の光景が見られ「小さい女の子から頼まれると断れないよね」とにっこり。取材のため上映には立ち会わなかったものの「いいお客さんと会えて素晴らしかった」と興奮冷めやらぬ様子だった。