2007年8月
- 作者: 白石一文
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2007/07/01
- メディア: 文庫
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今まで他者と自分との関わり方や、社会・世間との関わり方についてを主にテーマに扱ってきた(caltecは思う)白石一文の最新文庫本。
本作では、意識の深いところにまで考察が深まり、認識・魂・信念・高僧などのキーワードと共に、宗教や超常現象(超能力)までが登場してくる展開となっている。
他者の存在意義は、実は目に見えるものではなく、「目に見えぬ何か」によって構成されている、つまり思い出や記憶の中にある他者のイメージや想いによって、他者との関係が構築されていくのだ、ということなんだと思う。 それが発展していくと、ある高僧が語る宗教観・倫理感だったり、超常現象に繋がっていくのだとも思う。
彼の作品の中では、今回が一番、娯楽小説として楽しめる要素が強かったように思うが、いろいろと考えながら読んでいく要素もまた多く、なかなかにヘビーな作品だった。
この作品、映像化すると面白かもしれないな。