冬季アジア大会

caltec2007-02-02



中野選手、絶好調。というよりは、今までここぞというときの安定感が「売り」だったベテラン村主選手の不調により中野選手の優勝、という印象が強い大会でした。全日本選手権の3位争いもそのような感じでしたね。
自力(パーフェクトな演技)では、①浅田真央安藤美姫村主章枝中野友加里恩田美栄という位置付けなような気がします。


まあ何はともあれ、中野選手、優勝おめでとう!そして村主選手、苦手なトリプルサルコウの成功おめでとう、という感じでしょうか。2回目のフリップの回転不足がここ数大会の課題かなあ。。。来週の四大陸選手権が彼女の今シーズンの試合納めになるようなので、そこではいい演技をしてくれることを期待します。

中野、逆転金 村主、無念の銀−−女子


長春(中国吉林省)来住哲司】


当地などで行われている冬季アジア大会は第6日の2日、フィギュアスケートの女子フリーがあり、ショートプログラム(SP)2位の中野友加里早大)が合計162・38点で逆転優勝した。前回3位の中野は初の金メダル獲得。0・33点差でSP首位の村主章枝(avex)が2位、SP6位の沢田亜紀(京都・京都外大西高)は5位だった。日本勢の優勝は、前回青森大会の荒川静香(当時早大プリンスホテル)に続いて3人目。


アイスダンスオリジナルダンス(OD)は、渡辺心木戸章之組(新横浜プリンスク)が合計74・96点でトップを守った。ペアのSPは今季グランプリファイナル優勝の申雪、趙宏博組(中国)が首位に立った。


◇沢田亜紀(前日のSPに続き3回転フリップで転倒)


最悪だった中国杯(昨年11月)よりましだった。(転倒は)助走でバランスを崩した。6分間練習で中国や韓国の応援がすごくて、アジアの五輪て、こんなんやなあ、と思った。


◇ミスから精彩欠く

フリー3位と精彩を欠き、SP首位から逆転されて2位に終わった26歳のベテラン村主章枝(avex)。中盤、3回転ルッツが1回転となるミスを犯してペースを乱すと、続く3−2回転連続ジャンプは2−2回転に。音楽の終了に演技が間に合わなかった。新採点方式に対応して演技の質を高めようとしているが、逆にミスにつながり「非常に難しい。どういうふうにしたらいいか、よく考えていきたい」と悩みは深い。スピンの回転速度やスパイラルのスピード感が乏しく、体力的な衰えも感じさせた。


3回転ルッツのミスに「原因はいろいろあると思うけど、とにかくもったいなかった」と唇をかんだ。次週の4大陸選手権に向け「今は終わったばかり。明日かあさってによく考えて臨みたい」と話し、ショックの大きさをうかがわせた。


◇大技封印、心に余裕

価値ある金メダルをつかんだ。昨季世界選手権5位の中野にとり、「アジア女王」の称号は小さな勲章かもしれないが、同じ佐藤信夫コーチに師事する先輩の村主に、全日本選手権に続いて勝った意義は大きい。


冒頭に予定していたトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は、ダブルアクセルに自重した。直前の6分間練習で不調で「自分の判断で決めた」という。だが、無理をしなかったことで、余裕が生まれた。


ドーナツスピンや3−2−2回転の3連続ジャンプで観客をわかせる。今季は表現力にも磨きがかかり、笑顔としなやかな動きでもアピールした。「トリプルアクセルは残念。でも、今はこれ以上の演技はできない」と納得顔だ。


昨季は急成長を示し、トリノ五輪代表争いに加わった。しかし、代表選考会の全日本選手権で5位に終わり、夢の舞台は踏めなかった。「演技自体は納得いくものだったのに、得点が出なかった。一番悔しい試合。その悔しさが今シーズンにつながった」。昨年12月の全日本選手権で3位に食い込み、世界選手権(3月、東京)の代表入りを決めた。


表現力などでさらに得点アップを目指す。「前よりは上がったけど、目指すものはもっと上」と中野は意気盛んだ。先輩の村主に2試合続けて勝ち、新旧交代の流れを印象づけた。伸び盛りの21歳。世界選手権に向け、勢いを加速させたい。


◇3回転半、こだわり捨て


冒頭に用意していたトリプルアクセルを、自重してダブルアクセルに変更した。直前の6分間練習で不安定だったことから、自分で判断した。佐藤信夫コーチは「練習の出来を見たら、いい(判断)と思う。無理してやって失敗し、ほかの部分まで壊れたら元も子もない」と評価する。


後半最初の3−2回転連続ジャンプの最初が回転不足になるミスを犯したものの、無理をしなかったことで全体的にしなやかな動きを失わず、プログラム曲の「シンデレラ」を演じ切った。


02年に女子として伊藤みどり以来10年ぶりのトリプルアクセルを跳び、注目された。ただ2季前までは表現力不足が指摘され、売り物はそれだけ。しかし、今は「細かい部分でも点数を稼ぐ」という。大技に挑まなくても、スピンや表現力などを問うプログラム構成点などで勝負できる。「練習の時から表情まで意識している」。課題を克服してきた自信がうかがえる。


フリーのプログラム構成点は、表現力に定評がある村主に1・87点差と迫るものだったが、本人は「思ったような点が出ない」と悔しがる。佐藤コーチは「滑りはだいぶ良くなっているが、(審判に)まだ伝わっていない。実績を積んでいけば高く出るようになる」という。着実に成長している21歳が、3月の世界選手権までにどこまで伸びていくか。浅田真央(愛知・中京大中京高)らとのハイレベルな争いが楽しみだ。


【フィギュア】

▽女子
(1)中野友加里早大)162・38点(ショートプログラム(2)57・36、フリー(1)105・02)
(2)村主章枝(avex)162・05点((1)58・50、(3)103・55)
(5)沢田亜紀(京都・京都外大西高)138・98点((6)47・43、(5)91・55)


▽ペア・ショートプログラム

(1)申雪、趙宏博(中国)69・49点


アイスダンス規定・オリジナルダンス(OD)
(1)渡辺心木戸章之(新横浜プリンスク)74・96点(規定(1)28・16、OD(1)46・80)


毎日新聞 2007年2月3日 東京朝刊