安藤美姫

caltec2005-05-24



今や日本一有名で人気のあるスケーターになった安藤美姫。この1年間で彼女が表紙を飾ったスポーツ雑誌はどれくらいあっただろうか。フィギュア界のアイドル的な位置づけでマスコミに取り上げられることも多く、その加熱なマスコミ報道故に一部のフィギュアファンからは嫌われてしまった感もあるが、彼女が類まれなる才能の持ち主であることに変わりはないだろう。


4回転ジャンパーとして有名になった安藤だが、今のフィギュアはジャンプだけではなく、ステップ、スピン、スケーティングなどのトータル的な要素が重要視される時代に変わってきており、世間一般的に報道されているように「4回転が飛べればメダル獲得」なわけでは決してない(点数が高くなることは事実だが)。

荒川、村主、太田などの選手と比べると、ジャンプ以外の要素に関しては安藤はまだまだ発展途上の段階であり、これから実力をつけていかねばならない段階にいる。


このまま日本にいて、常時注目の的となり続け、余計な神経をすり減らすよりも、海外に練習の拠点を移し、集中してフィギュアスケートの実力を磨いたらどうか、いやそうしないと本人が周りに潰されてしまうのではないか?とこの1年間のマスコミ報道を見て思っていたのだが、彼女は海外へと飛び出す決意をした。
そんな彼女の心境や新コーチのインタビューなどが載っている雑誌だったので、思わず手に取り読んでしまった。文章は乙武洋匡の手による。


来年はトリノオリンピックが開催されるが、今年と同じレベルの演技であれば、たとえ4回転を飛べたとしても、彼女の胸にメダルが輝くことはないと(個人的に)思う。ジャンプ以外の各要素のレベルをきちんと上げたプログラム構成を組み、それをきちんと滑りきれたとしたら、メダル獲得の可能性が出てくるといえる。
ただ世界最強といわれる日本女子フィギュア、確実にオリンピック代表を勝ち取れるとは言い切れない境遇におかれていることも確かだ。本来持っているであろう安藤の天真爛漫さ、明るさが、今シーズンはあまり見られなかったように思えた。拠点を海外に移し、本来の彼女の持つ明るさを取り戻し、良い意味で演技に反映してもらいたいと願うばかりだ。