インド、アムリトサル旅行1日目

caltec2016-02-20



インドにいるうちに、一度行ってみたいと思っていたシーク教の総本山、ゴールデン・テンプルを訪れるため、週末にパンジャブアムリトサルに小旅行。


【 本日の行程 】


自宅 →→ デリー空港 →アムリトサル空港 →→ ホテル →→ ジャリヤーンワーラー庭園 →→ アターリー/ワガ国境 →→ ゴールデン・テンプル →→ ホテル


デリー8:10発の便。朝早いにも関わらず、座席は満員。シーク教徒の総本山、ゴールデンテンプルがあるアムリトサル行きということで、シーク教徒のシンボルであるターバンを巻いた乗客が目立つ。また早くも頭にバンダナを巻いた外国人環境客の姿も。。。


一時間強のフライトでアムリトサルに着く。飛行機から見えるパンジャブ州の景色は、緑、緑、緑。インドの穀倉地域と言われるのも納得。空港から500ルピーのプリペイドタクシーでホテルに向かう。ホテルはゴールデンテンプルから徒歩5分。


ジャリヤーンワーラー庭園

ホテルからすぐのところにジャリヤーンワーラー庭園がある。うっかりすると素通りしてしまうくらい入口が目立たない。ゴールデンテンプルの前にまずはここから観光。かつて虐殺があった場所だということだが、今は緑多い公園になっている。しかし、建物の壁に弾丸の跡が残っていたり、犠牲者の様子を展示してあるミュージアムもあり、これれが、ありし日の惨劇を語っていた。インド人観光客が熱心に見入っているのが印象に残った。


アターリー/ワガ国境

ジャリヤーンワーラー庭園の外には、アターリー/ワガ国境でのフラッグセレモニーへのジープツアーの客引きが大勢いる。これが今日の夕方のハイライト。たくさんいる客引きの中から、ジープツアー(ジープと言っても、、、オートリキシャの大型版で基本三輪タクシーです)100ルピーに申し込む。


近くのマクドナルドで軽く昼食を取り、いよいよアターリー/ワガボーダーに向けて出発! 14:00にアムリトサルを出発したが、片道35KMの道のりをバイクで行くのだから時間がかかる。15:30にようやく現地に到着。一時間半の道中は、乗り合わせたインド人観光客とのお喋りに花が咲く。知っているヒンディー語の披露大会となり、話すたびにキャッキャッキャッとインド人が笑う。。。 面白い。


ボーダー手前の広場のようなところでタクシーは止まり、そこから5-600m程の道を国境に向かって歩く。道中は和やかな雰囲気ではあるものの、国境ということでアーミーが監視しており、ボーダーに行くまで2度のセキュリティチェック。このチェックは結構厳重。


いよいよ国境に着いたところで、外国人観光客はパスポートを見せると、VIP席(国境に近い席)へ入れるゲートへと誘導される。


4:30になり、マイクを持ったおっさんが登場。「ヒンドスターン!ヒンドスターン!」と叫ぶと、周りのインド人が「オー!ヒンドスターン!」と大合唱。よく見ると、顔にインド国旗のペイントをしているインド人も多い。ここは、ナショナリティ高揚の場なんだなあ、と感じる。


いよいよセレモニーが始まるのか?と思いきや、30名ほどの女性が集められ、1人1人、インド国旗をもって、国境に行き、戻ってくるという国旗リレーが始まる。走っている女性は皆、誇らしげ。個人的には「???」。。。 その後、流行りのボリウッドミュージックが流れ、インド人(これまた女性限定)が客席から降りて来て、踊り始める。。。 これも個人的には「???」。。。 完全にセレモニーが始まる前の時間稼ぎの余興なのだと思う。


こういったやり取りが30分程行われた後、どこからともなく軍服を着た兵士が集まり始める。いよいよ、本当にセレモニーの開始である。


1人の兵士が「ドォ――――――ッ!!」と大声を上げる。インド観衆が「オ――――――!」と答える。すると、向こうのパキスタンからも「ドォ――――――ッ!!」と声が聞こえる。インド側は「ブ――――――!」とブーイング。どれくらい長く発声できるか競っているようである。


その後、パフォーマンスが始まる。太鼓の音とともに、兵士が国境まで行進していき、国境手前で、相手に「ミエ」を切る。身長2m近くの体格に恵まれた兵士が、足を頭の上よりも上に上げ、地面を踏み鳴らす。そして「どうだ!見たか!かかってこい!」的な手振り、ドヤ顔でのミエを切るのである。当然のごとく、インド人観衆は「オー――――!」と歓喜の叫びをあげる。 うむむ。面白い!


こうしたやり取りが数回繰り返された後、インド〜パキスタンの国境ゲートが空き、国旗が降ろされるセレモニーが始まる。約5分間。国旗が完全に降ろされると、双方のゲートが閉じられ、セレモニーが終わりとなる。いやー、面白かった。


インドとパキスタンが分断されるまでは、この道はパンジャブ地方の主要都市、アムリトサル(インド側)とラホール(パキスタン)を結ぶ主要道路であり、今はこうした用途にしか使われていないのかな、かつては同じ国であった双方で、ライバル意識をもって毎夕こうしたセレモニーを実施しているのかな、と考えると少し複雑なものを感じた。


ゴールデン・テンプル

国境から戻り、ホテルで軽く休んだ後、夜のゴールデンテンプルへ。これが見たくてゴールデンテンプル近くの宿を取ったのである。。。


入り口で靴を預け、バンダナを被り、寺院に入る前に手を洗い、足を洗い、、入り口をくぐる。目の前にはアムリタ・サラス(不死の池)の中央に浮かぶ、黄金色に輝くゴールデン・テンプルが!


スピーカーからはシーク教の宗教音楽が流れる。賑やかで騒々しいヒンズー教の音楽とは違い、シーク教のものはとても心が安らぐ響き。シタールのような音色のインドの伝統楽器をバックに、深みのある声で朗々とを歌い上げている。


荘厳な響きに包まれながら、時計回りに池の周りをまわり、ゴールデン・テンプルに向かう。、参道に向かうまでのこの道中で高揚感が増していく。良い気分。


いよいよゴールデン・テンプルの内部へと向かう参道に並ぶ。夜9時を過ぎているのにたくさんの人、人、人。寺院内に入るのに30分以上は待つことになる。内部に入ると、中央にシーク教の経典グル・グラント・サーヒブを羽で扇いでいる人がいる。その横で、宗教音楽の生演奏! 境内のスピーカーから流れていた音楽は、ここで演奏されている、生演奏だったのだ。室内の壁に沿って熱心な信者が座りお祈りをしている。偶像崇拝を禁止しているシーク教では経典が本尊のようだ。


このゴールデン・テンプルの建物が素晴らしい。残念ながら写真撮影は禁止だったのだが、大理石に貴石がはめ込まれた象嵌細工の細かさや美しさ、寺院内部のテラコッタ装飾。それらが(夜であるため)シャンデリア等の明かりで灯され、より幻想的・荘厳な雰囲気を醸し出している。インドで見た寺院の中で一番豪華な寺院がこのゴールデン・テンプルであった。信者を横目に呆けたように天井・壁の細工に魅入る東洋人が一人。。。 こころ優しいシーク教徒は文句を言うことなく、心ゆくまでこの寺院内の装飾、この場の雰囲気を味わうことを許してくれたのである。


1階→2階→3階と移動し、他の信者同様、床に座り、この場の雰囲気に溶け込んでいく。何をするでもなく、目を閉じて瞑想。とてもこころ安らかな気分になる。うむ。至福の時。


気づくと、かなりの時間を寺院内で過ごしていたことに気づき、寺院を跡にする。入口で砂糖菓子(カラーパルシャード)をもらう。寺院入り口前で購入したお菓子の半分を寺院内に奉納し、その奉納されたお菓子がまわりまわって、出口で参拝客に配られる仕組みのようだ。ありがたくいただいた。


池を囲む周りの建物にも見所が多い。例えばアカル・タクトでは、小さな小部屋が並んでおり、各部屋にグルが座っている。有名なグルに対しては、参拝する教徒もいるようで、人がひっきりなしに出入りしているところもある。足元の大理石は、それぞれ意匠の異なったモザイク装飾。インド的なものもあれば、イスラム的なものもある。これもまた美しい。池に向かって祈祷をする人もおり、なかなかに幻想的な風景である。


気づくと寺院に来てから2時間半が経っている。もう10時半過ぎ。後ろ髪を引かれながらゴールデン・テンプルを後にした。


2月に入り、デリーは暖かくなってきたが(気候的に春)、北部にあるアムリトサルは昼は暑いが、夜はまだ寒い。セーターを着ている人もいるくらい。当然、足元の大理石が冷たくて、、、結構つらかった。。


@アムリトサル



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